増田さんの家族4人は、平飼いの鶏を始め、有機栽培のじゃがいも、かぼちゃと、その他とうもろこしや人参、たまねぎなどを作っている。
夫の増田昭啓さんは勤めていた広告代理店を辞め、家族で実家に帰ったところたまたま両親が養鶏を始めていたことから全ては始まった。
まったくの農業初心者だった一家はそれこそ見様見真似で周囲の農家さんから学びつつ小規模のモノづくりから始めた。
それから17年。現在では全長100メートルもの養鶏場で800羽もの鶏を飼うまでにいたった。
また消費者とダイレクトにつながって販売し、自ら配達にいくことも欠かさない。
そして正規品として売れない"もったいない"卵や野菜の処理もしっかりしている。
自分たちで食べるだけではなく、近所の人やケーキ屋さんに分けたり、安い値段で買って頂いたりしているそうだ。
野菜は鶏のエサとして加工したり、自家製たい肥をつくったりして活用するので無駄になるものはないという。
養鶏場や倉庫、たい肥、エサをみると実に工夫が施されていることが分かる。
例えば、鶏の水を井戸水からひいたり、冬の結露で地面がぬれないように天上の構造を変えたり。
また、卵を水で洗わず濡れタオルで汚れをふきとり、ひとつひとつ細い板のようなもので軽くたたき、音で小さなひびを聞き分ける。
そしてほんの小さなひびもないものが1つ40円で消費者のものへと送られる。そして手作りの商品説明のチラシの一緒に送っている。
写真やイラストつきの分かりやすくて温かみのある心使いだ。
よくお客さまからの振込用紙の通信欄に喜びや感謝の言葉を頂くのだと妻の浩子さんは嬉しそうに言っていた。
それだけ手間隙と心を込めてモノをつくっているのだということが分かる。
また、消費者に直売しているため、よく電話でも話すのだそうだ。
"私は電話とか苦手なんだけど、お客さまからの電話だとついつい話しを聞いてしまうんです"とまた浩子さん。
理想的な生産者と消費者のつながりを体験している農家だ。
|
|
増田家の子供たちもまた最初から農業に進んで参加していて、今となってはそこらへんの大人よりも農業についてよく知っているし、いい働きっぷりなのだ。学校の新聞や、ブログでそれがよく分かる。家族4人力を合わせて今の増田農園が出来たのだ。
|
現在増田さんのうちではその独自の販売ルートでもって生計がなりたっている。そしてその喜ばしい状況のなかでも常に向上心と学習意欲、そして感謝の気持ちを保ち続けている。何も分からないところから始めて、知らないことや失敗したことから学びそれを改善して成功につなげる、その繰り返しの延長に今がある。気候の変化が直接影響する仕事なので、同じことは何もない、常に学びの連続なのだと増田夫妻は語る。そしてゼロから始めた自分たちがここまでやって来れたことを近隣の農家さんや近所さん、お客様のおかげであると強調した。今でもつねに感謝の連続なのだという。
そんな当たり前のことをやり続けることは容易なことではない、ましてやそれを継続するのはもっと大変だと私は思う。だけど、増田さんの家族にとってそれは自然なことなのだ。軽やかさの裏に強い意思がある。そんな人たちの作るものを多くの人が求めることは大きくうなずけることだ。
|
"増田農場"へのコメント