はじめに

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●はじめに

 北海道は、国土の約5分の1の面積を占めていながら、人口密度は他都府県と比較すると少なく、利用可能な広大な土地に恵まれています。周囲を日本海、太平洋、オホーツク海に囲まれ海洋資源も豊かで、漁獲量も全国トップとなっています。

 また国の森林面積の約4分の1、1人当たり1ヘクタールといわれる森林資源や、冬季の降雪による豊富な湧水やきれいな河川などの水資源にも恵まれ、北海道の自然環境は他都府県と比較しても優位性を持っています。こうした自然環境はまた、風力、太陽光、水力、バイオマスなどエネルギー資源開発の可能性を秘めています。

 北海道の食料自給率はカロリーベースで約200%と、国の食糧供給の約2割を担う重要な地域でもあります。冷涼な気候により甘みがあり美味しく、農薬の使用も少ないクリーンで安心な食物を供給できる地域です。

 しかし、他都府県に比して優位な要因があるにもかかわらず、北海道はこれまで単なる食料基地としてしか認識されてきませんでした。原材料を外に供給するのみで、加工は本州企業が一手に引き受けてきたという経緯があります。加工で成功した企業は、大きな利潤を手にしてきましたが、原料を供給するだけの生産者は、これまでその恩恵を受けることは少なかったといわざるを得ません。 農業者は農作物を生産するだけで精一杯で、加工や流通、販売までは手が回らないというのが実態でした。

 また、北海道の農業者は、高齢化や後継者不足の問題、原油高による燃料や肥飼料価格の高騰などによる経営圧迫で疲弊しています。その結果、離農と耕作放棄地の増加があちこちに見られます。

 流通・販売においても課題は多くあります。有機など栽培方法にこだわった生産物であっても、独自の販売チャネルを持たない生産者は、差別化できずに、その努力が報われない結果となっています。

 日本全体の食料自給率が40%しかないにも関わらず、生産調整や、規格外というだけで廃棄されることも多々あります。また大消費地である大都市から離れており、生産地から消費地までの輸送コストは無視できないものとなっています。

 こうした様々な課題を抱えた北海道ですが、日本各地のデパートなどで行われる北海道物産展は、イベントの中でも非常に人気が高く、折りしも昨今食品の偽装問題もあり、消費者の安心、安全を求めるニーズが非常に高いことが窺われます。
 
 課題は多くありますが、食に対する関心がこれまで以上に高まっている今、北海道の持つ強みや、独自の素材を活かして、生産や産直、加工、地産地消レストラン、グリーンツーリズムなど、農業分野の活性化を図るには良い機会ともいえます。

 本マニュアルでは、農業における様々な可能性にチャレンジする方々のための起業ノウハウやユニークな起業事例、お役立ち情報などを掲載しています。

 アグリビジネスで地域活性化を図りたい、地域貢献したいという人々が起業する際に有益となることを願っています。そして地域で人材が育ち、後に続く多くの人々が起されることを期待しています。


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