農家のこだわり加工品がネットで好評 すずきっちん 鈴木由加さん(北海道・芽室)

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農家のこだわり加工品がネットで好評

すずきっちん 鈴木由加さん(北海道・芽室)

 「顔が見える関係」「消費者と生産者が直接繋がれる」とインターネット通販が当たり前のように使われていますが、鈴木由加さんが自家製の加工品をホームページ上で公開しはじめたのは2001年と、一足早いスタートでした。

 女性たちが商品を考案し、農業分野でも「起業」が注目され始めた頃、すでにインターネットを通じて全国へゆで小豆、ジャガイモ餅、ミートソース、餃子、大豆入りグラタン、黒豆茶など、自分の畑で採れたものを活かした加工品販売を行っていたのです。


●農家出身ではない視点

 もともと鈴木さんは学校を卒業後、美容師として活躍していました。ご主人の哲也さんは実家が農家を営む中学時代の同級生。農家に嫁いで今までと何が違うかを尋ねたところ、「農家が口々に『忙しい』って言うんだけど、おやつもお昼ご飯もちゃんと時間をとって食べている。美容師の時はお客様優先で、お昼ご飯の時間はバラバラ、時には食べられないことも。流れる時間の感覚が農家は違うんです」と鈴木さん。美容師時代に培ったガッツでどんなことにも前向きに挑戦していきました。


●自分でやるリスクとメリット

 鈴木さんの自宅周辺は見渡す限り小豆や小麦の畑24haが一面に広がります。暑くなる8月には、一気に収穫。そのまま新鮮な農作物を自宅横の加工場で一気に調理します。ゆったりとしたスペースの加工場には作業台、大きな冷凍庫、鍋、真空パックにする圧縮機械など、機具が揃っていました。これらはすべて鈴木さん個人で準備したもので、行政などからの補助はありません。お金もリスクも自分で背負いました。

 補助がない反面、自由にやれるのもいいところ。1年を通じて採れた野菜に応じて生産・販売計画を立て、加工場をやりくりしています。「ミートソースは玉ねぎなどの材料を準備するのに1日、煮込んで1日、そして味をしみこませるために鍋で1日熟成させてから袋詰めします。1回で100食くらい出来るかな。仕込みには義妹や学生時代の友人に助けてもらっています」と鈴木さん。取引先は、北海道で第2位の売上を誇る近所の直売所「愛菜屋」や千歳で人気の農家レストラン、また小豆は島根県松江市のパン屋からも注文があるといいます。


●ネットワークが最大の強み

 彼女の長所は、何と言っても面倒見のよさ。農家のお嫁さんネットワークは、年齢や地域を問わず広がっています。帯広近郊だけでなく、メールや電話を使って愛知県でガーベラ栽培、静岡県でお茶栽培、福井県で梨と栗園を栽培している女性などと常に情報交換を行っています。

 また、農業者だけのネットワークにとどまらず、様々な分野の方と交流しています。鈴木さんの幅広い人脈の中から紹介された地元十勝の地域おこしで活躍している女性経営者は、「オーストリアのチロル地方では今でも重んじられているのが月の満ち欠け。新月の前に土に生えるものを、そして満月の時に木に実るものを収穫するのが一番美味しいんですって。だから鈴木さんに無理をお願いして、新月の時に収穫したごぼうをささがきにして真空パックに詰めてもらったの」と語ります。こうした細かいお願いにも快く応じて、農産加工にストーリーと付加価値をつけて都会に売っていくことこそ、女性が出来ることなのでしょう。

 もっと売上が伸びたらいずれは法人化したいという鈴木さん。しかし、株式会社などの法人にしなくても、これだけのことが出来るのは、女性が今後起業していく上で選択肢を広げた開拓者とも言えるでしょう。


基礎データ
■ 屋号 すずきっちん(個人事業)
■ 事業規模 年間約500万円
■ 客層 直売所等:ネット通販=7:3
ネット通販男女比:男:女=3:7
取引先として直売所、スーパー、居酒屋等
■ 従業員

本人、義妹、友人、義母 4名
 (繁忙期6月~10月。付近の直売所の営業期間)

■ 設立年月 平成13年9月
■ 住所 北海道河西郡芽室町平和西14-13
■ 電話 0155-62-3918
■ URL http://www.suzukitchen.com/

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