
野菜農家 野々内八重子さん
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野々内さんの家は22代続く農家です。
ご自身も20歳のころから現在に至るまで、65年間ずっと農業をされています。
こんな言い方をしたら失礼かもしれませんが、野々内さんはとてもかわいらしいおばあちゃんで、一緒にいるととても和やかな気分になります。
長い年月の中、どんな想いで農業をされているのでしょうか。
(取材日:2007年2月27日)
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なんにもしておりません
野々内さんは、米は集落営農組合に参加しておられるので、野菜作りの方が専門です。
さつまいもをいただきましたが、これがおいしい。
とっても甘くて、ねっとりとやわらかい。
近所の人にも大好評みたいです。
なにかコツがあるんですか?
「なんにもしておりません。泥じゃないですかね。ここはもともと田んぼだったですが、そこに古墳の土と砂をまぜたものを入れて畑にしましたけんね。山泥ですけんいいじゃないですかね。かれこれ25年前のことですが。」
そう教えてくれました。
でも、土だけじゃなく長い年月をかけ培ってきた経験あってのものです。
野々内さんは当たり前だと思っている日々の作業の中に、智恵と経験と技術が詰まっているのだと思いました。
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もったいない
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お孫さんには子供の頃から農作業の手伝いをさせているそうです。
「小さいときから手伝いをさせて、収穫の喜びを味あわせんと。自分で作らんとありがたみがわからんですけん。」
野々内さんは「もったいない」の精神が強い時代に生まれ育ちました。
「最近は食べ物が豊富にありますけんね。粗末にしますわね。」
今の時代を憂いておられます。 |
憩いの場<
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野々内さんの作業小屋は自然と、近所の人の憩いの場、サロン状態になっています。
私がお邪魔したときも、入れかわり立ちかわり、三人のおばちゃんがいらっしゃいました。
自家製の漬物を持ってきた人、野々内さんとおしゃべりしにきた人、ちょっと寄ってみただけの人と様々です。
ほぼ毎日、だれかが来るそうです。
テーブルの上には常にお茶菓子が置いてあり、座るとすぐ野々内さんがお茶を入れてくださいます。
「えーたい飲んだり食べたりしちょうです」(常に食べたり飲んだりしてます)
そういって、ふふふと笑う野々内さん。
野々内さんの人柄もあいまって、とても居心地がよく、つい寄りたくなってしまう気持ちが分かる気がしました。
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守っていくということ
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うれしいのはどんなときですか?
「うれしいのは収穫ですね。でも大変なのも収穫です。収穫の喜びと辛さ。収穫以外は『今日できんだっても明日すればいいわ』にできるけど、収穫は待ってくれませんけんね。」
やめたいと思ったことはないですか?
「思ったことはないです。守っていかないけんと思ってがんばっちょうですよ。生まれたとこですけんね。最近はアパートを建てないかといって営業さんがきますが、全部断っちょうです。」
先祖代々守ってきた土地を守り続ける。
野々内さんは22代目ですが、いったい何百年前からその土地は田畑としての役割を果たしてきたのでしょう。
現実、経済的に難しいかもしれませんが、理屈抜きでいうとアパートや駐車場にしてしまうのはとてももったいないような気がしてなりません。
「人のお世話にならんといけんよぉになるといけんけど、今は自分がしようと思うことができぃだけん幸せだと思いますで。」
控えめでかわいらしい野々内さん。
また、サロンに遊びに行きますね。
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