☆永嶺克博さん

Posted at 08/03/20 Comment(0)» Trackback(0)»

なし農家 永嶺克博さん


●梨のカリスマ

カルスト台地が広がり、秋芳なしで有名な、山口県美祢市秋芳町。
その秋芳町で、東京の高級フルーツパーラーで扱われるほどの梨を生産されている、
いわば梨のカリスマ・永嶺さんを訪ねました。


なし農家 永嶺克博さん

●生物としてとらえる

本職の梨の栽培、経営だけでなく、エコツーリズムや地域おこしにも
積極的に関わっておられる永嶺さん。
いろいろなお話を聞いていると本当に勉強になり、時間があっと言う間に
過ぎていきます。

今回、いろいろなお話を聞かせていただいたそのなかでも、特に印象に残った
話があります。

それは、「梨を生物としてとらえる」という言葉。

例えば、20世紀なし。
この梨は、黒斑病という病気にかかりやすいそうです。

平成11年は、この秋芳町の梨園全体に黒斑病の大きな被害が出て、
収穫量が大幅に落ちた年でした。
しかし、永嶺さんの梨園では、事前にしっかりと対策をうっていた為、
大きな被害をうけなかったそうです。


梨の木

今まで積み上げてきた学術的な基礎理論と、農作物(梨)を生物としてとらえ、
観察と分析、そして対策をしっかりととれば、どんなことでも恐れることはない、と
自信をもって言い切られます。

それは言葉にこそ表されなかったですが、人よりも多く失敗され、研究され、
あきらめずに続けてこられたからこそ、今の場所に到達されたのではないでしょうか。

行動という努力に裏づけされた自信だと感じました。

伝統的なやり方、人から聞いたやり方でつい農業をしてしまいそうですが、
永嶺さんの考え方で農業を捉えると、「強い農業」ができそうな気がしました。


●次世代との経営

一年前と変わった点で言えば・・

「今まで積み重ねてきたことが、軌道に乗ってきたかな」

鳥取で研修中の息子さんの研修の目処がつき、あと約1年したら帰ってこられる
予定です。
そして、息子さんが帰ってきた後に始まる新しい経営が現実に近づいていると
いう実感があり、それが楽しみ、と語ります。

息子さんも、たまに帰ってこられたときには、自身が経営する予定の梨園を
手入れをされていいるようで、もう自分の梨園に愛着がわいているそうです。

それを想像すると、なんとも微笑ましい光景が目に浮かびます。


梨園の様子

●もったいない梨

この一帯の梨農家さんで収穫され、選果される梨は年間600t。
そのうち、傷ものや傷んだ梨、規格外の梨が20tほど出ますが、それらは全部、
生産した農家さんのところに戻されます。

永嶺さんのところは、ほとんど規格外の梨が出ません。
正確にいうと、工夫や生産管理をして規格外が「出ないようにしている」ということです。

そして少量の規格外の梨は近所の方にあげてしまうため、もったいない梨の処理に
困ることはほとんどないとのことでした。

ほんとうにすごいの一言です。


●次世代につなげる

今まではきつい、汚い、給料が安い、いわゆる3Kの仕事とされていた農業。

小奇麗なスーツを着て、小奇麗なオフィスに出勤する。
そんな生活や仕事が「普通」とされ、誰も農業には目を向けませんでした。

しかし、誰も注目していなかっただけで、困難に打ち勝ち、データを蓄積し、
技術を磨き、一流の農作物を作ることができる、世界に誇れる農家さんがいます。

確実にいい梨を作り出していると、自信を持って言い切る永嶺さんもそうだと思います。

その永嶺さんの跡を息子さんが継ぎます。
農業の後継者不足が深刻化する農業の世界。
このままでは今まで積み上げられてきた技術、いわば地域の財産が失われていっています。


看板

永嶺さんの梨農園では、その技術が失われることなく、次に繋がることを
大変うれしく思いました。
私たちも次の世代に繋がる行動を続けていきたいと思います。



梨農園 永嶺克博さん 記事紹介

2007年度 取材記事
2008年度 追加取材記事



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