賀屋忠之さん
Posted at 08/03/20 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»

野菜農家 賀屋忠之さん
●県内屈指の米どころ
阿東町徳佐中坂手地区は徳佐盆地の真ん中に位置し、県内でも屈指の米どころと
して知られています。
坂手地区は周囲を高い山に囲まれており、その中に田んぼが広がる風景は古き良
き農村風景を感じさせます。
今回はそんな坂手地区で米農家をされている、賀屋忠之さんをご紹介します。
賀屋さんは農協に勤めながら、米を始めとしてキャベツ、大豆、アスパラガスな
どを栽培されています。
●地域のリーダー 賀屋忠之さん
「誰かが農業のリーダーとしてやっていかなきゃいけない」
これは、賀屋さんがご自身の取り組みを紹介される中で言われていた言葉です。
賀屋さんは坂手地区の振興のため様々な取り組みをされています。
その一つが、特定農業団体「高岳(たかたけ)」の設立です。
賀屋さんは以前から家単位での、経営感覚の乏しい農業の現状に危機感と閉塞感
を抱かれていたそうです。
そこで、数年前から地域の人達に一年以上かけてアンケートなどで意見を聞いて
まわり、ようやく昨年三月に特定農業団体を設立されました。
そして、経理を一元化したり、機械は必要なものだけを残してどんどん淘汰して
いったり、田植えの際の田植え機のオペレーターは日当を出して各戸で植えても
らったりと、様々な合理化の取り組みを実現させていきました。
現在は、利益の分配など会計面での苦労はあるものの、5年後の法人化を目指し
て活動を続けられています。
また、合理化以外にも様々な取り組みも行なわれています。
既に行なわれていることとしては「松田のおやじ」という地酒を地元産のコシヒ
カリから醸造され、販売されているほか、古代米のひとつである赤米を作られた
り、高竹の下部組織も作られたりといった活動があります。
さらに、将来的には高竹のホームページを作って情報を発信したり、物品販売に
利用したりということも視野に入れています。
具体案としては、近々良質な水と有機肥料を使い、減農薬で栽培した米(エコ
米、有機米)をつくり、これをホームページ上で限定販売することを計画されて
います。
内外問わずより多くの人達に坂手に親しみ、坂手のことを好きになってもらおう
と努力される賀屋さんは、まさしく地域のリーダーといえるのではないでしょうか。
●若者も高齢者も巻き込む秘訣
地域を広く巻き込んで活動をされている賀屋さんですが、地域の幅広い年代の人
達を巻き込む秘訣を聞かせていただきました。
それは、一緒にイベントをし、飲んで食べること!
賀屋さんは一年を通して、土日に夏の防火水槽の掃除、運動会、秋の収穫祭な
ど、様々なイベントを企画、運営されています。
特に、最近始めた焼肉大会ではたった500円の会費でなんと地元産の阿東和牛が
食べ放題!
焼肉大会に限らず、こうしたイベントには高齢者からお年寄りまで多くの方々が
参加し、お互いに交流をされるそうです。
こうしたイベントを通して賀屋さんは高齢者も若者も積極的に巻き込み、地域の
結束を強めておられるそうです。
●リーダーにとって大事なこと
そんな地域のリーダーの賀屋さんですが、同時にこんな話をしてくださいました。
それは、去年ガンで入院されたときのことでした。
賀屋さんが入院中で動けないとき、仲間たちが仕事や準備などを積極的に手伝っ
てくださったそうです。
「リーダー一人だけに任せていても続かない。うまく地域の人びとを引き込んで
仲間を作っていき、地域のリーダーへの協力体制を作ることが肝心」
周囲の協力があってこそ、リーダーも真価を発揮できる。
賀屋さんはそのことをよく知っており、一緒に活動する仲間の大事さもよく考えて
おられました。
●規格外はあっても、もったいないは出ない
もったいない野菜についてお尋ねしたところ、野菜を作っていく上で規格外の野
菜はやはりどうしても出てしまうそうです。
しかし、「もったいない野菜は出ない」とも続けられました。
というのも、まず多少規格に合わないものでも朝市では売ることができるのが第
一の理由です。
去年は朝市だけで70万円近くも売り上げがあったそうですから、なかなかの金額
です。
そして、それでも余ったものは近所の人に配るからと言うのが第二の理由です。
そうした規格外で朝市にも出せないようなものでも、近所の人達と分け合うこと
で無駄なく消費することができ、最終的に残ったものも畑にすきこんで肥料にす
るので最後まで無駄なく活用できるのだそうです。
●感想
取材中の賀屋さんからは、自分も他人も楽しみながらできる地域づくりを常に追
求する姿勢や、地域のリーダーとしての強い責任感が伺えました。
また、取材中の賀屋さんはどこかわくわくしているようであり、取材する側もど
こか心が跳ねるような気分になりました。
日本各地で農村の崩壊が叫ばれている今日ですが、賀屋さんのように楽しく積極
的に地域づくりを進められるリーダーが各地にいれば、農村の未来は決して暗い
ものにはならないのではないでしょうか。

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