☆小田昊さん
Posted at 08/03/20 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»

☆無農薬と養鶏 小田昊さん
●山奥にひっそりと
山口県庁から車でわずか10分足らず、山口市の中心地から少し
離れた所に、小田ひろしさんの圃場はあります。
静かな山の中、田畑に囲まれてぽつんと存在する小田さんの圃場の家は、
まるで仙人が住んでいるようなたたずまいです。
今回は、山口市で有機農業と養鶏に取り組んでおられる小田ひろしさんに、
約一年半ぶりに取材をさせていただきました。
●もったいない野菜の活用法
もったいない野菜のことをお聞きしたところ、野菜は自家消費と
小田さんが所属する環境保全型農業研究会のアンテナショップを始めと
して、知り合いの方などにお売りしているそうです。
中でも卵は特に人気で、1個50円という値段にも関わらず、鶏が
追いつかないほどの注文が食堂や朝市から来ているそうです。
また、スーパーの余った野菜や、豆腐のおからなどをもらってきては
鶏のえさとして活用することは今も続けておられました。
そして、その中で一つ面白いお話を聞かせていただきました。
それは、鶏にも食べるもの、食べにくいものがあるということでした。
レタスはあまり食べないそうですが、トマトやニンニク、刻んだネギ
(そのままではあまり食べないそうです)などは大好物で、よく食べて
元気にもなるそうです。
「人間と一緒。美味しいものを食べると元気が出るけど、美味しいもの
だと食べない」
小田さんはこだわりを持って農業をされている方ですが、そのこだわりは
鶏たちにもしっかりと引き継がれているのかもしれません。
●昨年からの変化
昨年からの変化をお聞きしたところ、今年の2月に新しい鶏小屋
を
作られたことを話していただきました。
その中には新しく鶏を100羽ほど入れて飼育を始められているそうです。
実は、通常の養鶏では生後一年二ヶ月くらい過ぎると卵の産卵率が大きく
下がるため、すべての鶏を廃鶏、すなわち鶏肉にしてしまうそうです。
そして、これまで飼っていた鶏は既に生後一年二ヶ月以上を過ぎており、
産卵率もやはり低下してきているそうです。
しかし、「自分になついてる鶏を殺すのはかわいそう」ということで、
小田さんは新しく入る鶏用に新しい小屋を作り、それまで飼っていた鶏も
引き続き飼育されているそうです。
鶏の食事と同様、小田さんの生き物や自然に対する優しさが垣間見える
エピソードだと感じました。
●障害を持つ方たちとの協働
農家民泊や都市からの農業体験の受け入れについてお聞きしたところ、
こんなお話をしてくださいました。
それは、障害を持つ方とのやりとりでした。
小田さんは以前、障害を持つ方にお手伝いに来てもらったそうです。
その方は、鶏の餌やり程度なら一人でできたそうですが、それ以外の
餌の手配などに関しては付き添いが必要だったそうです。
親御さんは、その方の世話をずっと見て欲しかったそうですが、
小田さんはご自身が障害に関する専門家ではない上、あと何年も農業を
続けられる確証がないことから、ずっと世話を見ることができないと
思ったそうです。
しかし、障害をもつ方との協働に関しては意欲的で、
「農業も障害者の仕事の多様なジャンルの一つになる」
「親子一緒に自立を目指す人なら手伝うし、そのための場所も器具も
少しだが貸す」
と言われていました。
そして、ゆくゆくは障害を持つ方の福祉作業所などとしてご自身の畑を
活用されることも目指しておられました。
●鶏たちとご対面
さて、お話も聞き終わり、いよいよ鶏たちとご対面です!
鶏小屋は圃場の家から少し離れた山すそにあり、ビニールハウスに手を
加えたようなものでした。
そして、小屋の中では70羽近い鶏たちが元気に走り回っていました。
さらに、小田さんが言われていたとおり、餌にはキャベツなどの野菜が
ぶら下げられたり、地面に撒かれたりしていたのですが、硬い筋の部分は
きれいに食べ残されていました。
「美味しくないものだと食べない」
まさしくその小田さんの言葉通りでした。
そして、鶏たちは小田さんが小屋の扉を開けると、待ちわびたとばかりに
ぞろぞろ外へと出ていき、周囲を元気に歩き回っていました。
その姿は、狭い檻の中で餌をひたすら食べながら卵を産むだけの鶏とは
違って生き生きとしており、生き物としての生気に充ちていました。
●感想
小田さんは取材の最中に様々な農業をしてきての体験を話していた
だきました。
山口大学工学部の先生が、20年以上農薬を使っていない土を探して足を
運んできたという話や、山に住む動物たちの獣害に遭いながらも工夫を
重ねておられること、鶏の卵の話、合鴨農法をやられていたものの
やめてしまったこと、行政とのやりとりなど、その内容は多岐に渡って
いました。
それ以外でも日本の里山の崩壊や、ご自身の人生のことなども、少しでは
ありますが、話していただけました。
小田さんはとても話題の多い方で、次々と面白い話、ためになる話を
してくださいました。
山奥で農業と養鶏に励みながら、万事のことに思索を巡らし、ときには
行動もする。
そんな生活をされている小田さんは、まさに仙人のような人だと、
改めて実感しました。
無農薬米と養鶏 小田昊さん 記事紹介 |
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