藤岡敏明 さん

Posted at 08/03/24 Comment(0)» Trackback(0)»

葉タバコ農家 藤岡敏明さん


●カウボーイハットが素敵です

萩市福栄村。
ここに、57歳で就農された藤岡敏明さんがいらしゃいます。

カウボーイハットで迎えてくださった藤岡さんは実年齢よりお若く
見えました。

その理由は・・・取材をしてみてわかったような気がしました。


藤岡敏明さん

●田舎のスーパーばあちゃんが助っ人

藤岡さんは、葉タバコをJTと完全契約栽培で行っています。
最初は8aから始め、現在は2ha栽培しています。
同じ葉タバコをされている山口市の本広さんともお知り合いです。

そのほかにはアスパラガスやサツマイモ、大根などを作り、
100円市などで販売しています。

葉タバコは奥さんと二人、それと忙しい収穫の時期は、
3人ぐらいの、アルバイトのおばあちゃんを雇っています。
なかには素人の4倍のスピードで収穫する、70歳のスーパーおばあちゃん
の助っ人もいるそうですから驚きです。

「田舎には尊敬すべき人が多い」と奥さん。
私もそう思います。


藤岡さんの畑

●波乱万丈の人生

山口県山陽小野田市出身の藤岡さん。
高校卒業後は、東京の大学に入学しました。
その後、就職。

就職先は「会社の歯車になるのが嫌」で、小さい会社で、
今後伸びていくところを探しました。

そうしてケミカルポンプ(工場に設置するような大型のポンプ装置)業界
No.2のメーカーに就職。
業界No.1のメーカーと競争し、会社の規模もどんどん拡大していきました。

「会社には5年いろ。そうしたら営業が身につくから」という
当時、尊敬していた凄腕の部長の言葉どおり、5年会社に勤めた後は、
会社の異動先の福岡県小倉市でエクステリアの代理店を立ち上げました。

そして、ホームセンターが台頭してきた当時、ホームセンターの
仕入れ担当者を相手に藤岡さん流の営業を仕掛け、例えば建材店が
物置で10万円売り上げている当時、100万円売り上げていました。

事業は大成功。従業員10名、販売エリアは熊本、久留米、長崎まで
広範囲まで広げました。
この仕事を37歳まで続けました。そして転機が訪れ・・
就農・・・ではまだありません。

転機が訪れ、家具の輸入会社をやることにしました。

そして有名な百貨店などに販売にいくようになりました。
しかし、出張がおおく家族が犠牲になると思い辞めました。


●家族のあり方を考える

しかし、藤岡さんの就農まではまだ先です。

何か面白いことはないかと思い、転職の求人誌を読んでいて、
芸能プロダクションの募集が目に付きました。

「これは面白そうだ」と思い、芸能プロダクションに就職。
この時42歳です。

そして今まで培ってきた営業の才能を活かし営業部長に昇進。

芸能プロダクションでは中国雑技団を招いたり、中国の有名な
芸術家の個展を開いたりと幅広い活動をしてきました。

そしてその後、ある大物歌手のバックアップを受けて独立。

芸能界は華やかな世界。
しかし、その裏では接待で2日で100万円を使ったり、
芸能人の付き人が、給料を銀行からおろさずにチップだけで
生活ができる世界で、金銭感覚がおかしくなったそうです。

そうしているうちにお子さんが自立。

奥さんはエステの業界でお仕事をされていましたが、
お二人とも忙しい日々・・・このまま忙しく働いて、夫婦すれ違いの
人生もどうか・・と思い、夫婦で相談しました。

この時も本を開いて夫婦で相談されたそうです。

海と山が好きだった藤岡さん。
しかし、山と海が一緒にある場所はなかなかありませんでした。

縁があって藤岡さんの故郷である山口県にある、今お住まいの
福栄村にいくと役場の方の対応がよく、ここに決めました。

そして今の農業生活がスタートしました。

今、収入面からすれば昔よりはるかに少ないそうですが、
家族のあり方もすばらしく、若いころからこればよかったと
思うこともあるそうです。

波乱万丈の人生を送ってこらえた藤岡さんは、ようやく
落ち着き先を見つけられたようです。


藤岡さんの畑2

●最初に一歩を!

藤岡さんも新規就農された方です。
そこで新規就農についてメッセージをいただきました。

「新規就農はよっぽど覚悟を決めないと難しい」と厳しいお言葉。
それは若い人が新規就農すると自分達の生活費のほかに、
子どもの養育費も必要になるからです。

その反面、子どもを育てるにはすごくよい環境。
「田舎の子どもは精神的に豊か」といいます。

また、今までこれだけ積極的にいろんなことに挑戦されてきた藤岡さん。
その原点は、大学時代にあったといいます。

藤岡さんの在学中は学生運動の最中。
暴動のせいで、よく学校が封鎖されることがありました。

このまま大学を卒業したのでは、大学に入った意味がないと思い、
アルバイトでお金を貯め、大学取材のツアーに参加しました。

それは飛行機をチャーターし、フランスに到着し、現地解散
、 50日後にまた飛行機でフランスまで迎えにくるという企画。

そのとき、自分で動かないと目の前にヨーロッパのいろんな国、
いろんな世界が広がっていても、それを見ることができない。
物事が進んでいかないと実感しました。

農業をしてみたい!でも・・・そんな方も少なくはないと思います。
そんな方や何かに挑戦しようとしている方に
「最初に一歩を踏み出さないと、そこにひろがる世界を見ることは できないよ」
というメッセージをいただいたような気がします。
最初の一歩です!


●仲間が集まる農家民泊

今の目標は、自宅を改装して農家民泊をはじめること。
60歳から開始する予定です。

藤岡さんのお宅は標高の高い場所にあり、毎日、雲海が見えるそうです。
そしてキジや、都会では見かけない珍しい鳥も、庭で見ることが
できるそうです。

そんなシュチエーションもさることながら、数々の経歴をもった
素敵な藤岡さんと奥さんが経営される農家民泊は、いろいろなお話が
聞けて本当に楽しいだろうなと想像しました。

今もうすでに、よく友人の方が釣った魚やお土産をもって、
遊びにこられるそうです。

藤岡さんが農家民泊をはじめられたら、今回うかがうことが出来なかった
お話の続きを、藤岡さんはお酒が飲めないそうなので、
甘いものを食べながら、夜通し聞かせていただきたい!と思いました。

農業以外のお話をたくさん伺いましたが、人生の勉強をさせて
いただきました。
藤岡さん、ありがとうございました!


建物


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