小田昊さん

Posted at 10/04/22 Comment(0)» Trackback(0)»

無農薬米と養鶏農家 小田昊さん


●完全無農薬・有機栽培に挑戦

山口市中尾「共働農場へいわ園」の小田さんへの取材に行ってきました。
小田さんが農業を始めたのは、定年退職の4、5年前のことです。
当時の小田さんは、旧山口市役所の保険年金課で働いていました。
しかし、回ってくる書類の多くが、高齢化社会の問題だったそうです。
農業をしようと思ったきっかけは、近代農業の危うさをかいた有吉佐和子の「複合汚染」を読んだことでした。
試行錯誤の中で「完全無農薬・有機農業」に挑戦して、もうじき20年になります。


鶏
元気に走り回る小田さんの鶏

●最初は稲作に挑戦

初めに挑戦したのは稲作でした。
除草さえできれば無農薬農業はおおよそ上手くいくそうですが、その除草作業が大変なものだったそうです。
何度も失敗しながら、土地にあった方法を探し、現在でもいろいろと模索されています。
現在取り組んでいるのは米ぬかを使った方法です。
この方法では、米ぬかが水の中で発酵して出す有機酸が草の根を抑える、という性質を利用しています。



●地球にも鶏にも優しい養鶏

さらに、4、5年前からエコの自然養鶏も始めました。
養鶏の現状に危機感を覚えたからです。
現在の養鶏は鶏をケージの中で飼育し、餌として化学飼料や輸入トウモロコシを与え、鶏に負担をかけていることが多いそうです。
これは土地を有効に活用し、なおかつ手間を省くために行われています。
しかし小田さんの養鶏は違います。
小田さんは現在約250羽の鶏を、こだわりの飼育法で育てています。
鶏をケージに閉じ込めることは一切行わず、平飼いで自由に走り回らせます。
適度な運動をしている上に太陽の光もしっかり浴びているので、健康な鶏が育ちます。
安全な卵を生産するために、餌には小田さん自家製の有機発酵飼料を与えています。
これはおから・くず麦・くず米・吟醸酒生成の際にできる米粉・スーパーから出る野菜くずや魚のアラ・エビの殻などの未利用資源からつくられています。
どれも廃棄されるのが一般的なものなので、これらを使用するということはエコにつながり、環境にやさしい養鶏と言えるでしょう。
さらに小田さんは、これらの未利用資源に発酵菌を加えて発酵飼料とすることで、鶏をより健康に育てています。
もちろんこれには、薬品・ホルモン剤・ポストハーベストや遺伝子組み換えの危険性のある輸入トウモロコシなどが一切含まれていません。
このようにして、安心・安全なおいしい卵が生産されているのです。
ただ、難点もあります。
それは手間がかかることです。
実際に小田さんは、鶏の飼育を始めてから忙しい日々を過ごしています。
ほぼ1人で作業をしていた去年は、鶏の飼育だけで手がいっぱいで、田植えの時期が大幅に遅れてしまったほどでした。
そこで現在は、2人の助っ人を含めた延べ3人で作業をしているそうです。
助っ人の方が「共働農場へいわ園」に通い始めてから約1ヶ月が経ちました。
きっかけは力になりたいと思ったからだそうです。
毎日小田さんから教わりながら、充実した日々を過ごしています。


小田さんと助っ人の方
小田さんと助っ人の方(写真右が小田さん)

●万人直耕

小田さんは他にも、田んぼの貸し出しを行っています。
貸し出しの条件は、化学農薬・化学肥料を使わない有機農業であることです。
現在は3組の方々が無農薬の米作りに挑んでいます。
江戸中期の医者・社会思想家であった安藤昌益の言葉の1つに「万人直耕」という言葉があります。
「みんな農業をやってみるべき」という意味の言葉で、小田さんのお気に入りの言葉でもあります。
近年、日本の食料自給率の低下問題が叫ばれ続けています。
「万人直耕」。
これが実現されれば、この問題はおのずと解決されるのではないかと小田さんは考えています。


鶏のえさ
鶏のえさを作る様子

(2009年度取材)

小田昊さん 記事紹介

2007年度 取材記事
2008年度 追加取材記事



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