木村定雄さん

Posted at 10/04/22 Comment(0)» Trackback(0)»

無農薬野菜農家 木村定雄さん


●木村さんの紹介

下関市吉田地区の木村定雄さんは、もとは課長クラスまで登りつめたサラリーマンでしたが、50歳で早期退職し、専業農家になられた方です。
ニコニコと笑顔が絶えない方で、面白く取材をさせていただきました。
主に作っている農作物は無農薬のナス・トマト・米などです。
特に下関市吉田地方のナスは美味しいと評判のため北九州に売られるそうです。
一昨年採れたのは700本のナスの苗から。
昨年は奥さんの身体の負担を考え、500本に減らそうと考えましたが、さらに他の人から頼まれた30アールの面倒を見ていました。
そのような忙しい日々を送っていた昨年の9月末、脳出血を発症し、生死の境をさまよったのです。
奇跡的に後遺症もなく、意識が戻ってから約1週間とても快適に病院生活を送られ、この経験は人生観を変える大きな出来事だったと熱く語ってくださいました。
今では健康維持に十分注意をして、元気はつらつとしており『100歳バンザイ!』というテレビ番組に出演するのが夢だと語ってくださいました。


木村定雄さん
取材中の木村さん

●農業の問題点

取材中、木村さんは消費者の意識について問題点を挙げてくださいました。
無農薬農作物の良さはおおよそ知られているものの、実際に店頭で少し高価な無農薬野菜と安価な農薬使用野菜が並ぶと、ほとんどの消費者が後者を手に取るというのです。
確かに見た目は変わらず、むしろ、農薬を使っている方が虫の食われが少なく、見た目にも綺麗に見えるときもあります。
そこで、木村さんはその問題を解決するために、北九州のデパートで高級志向の層をターゲットにしたり、無農薬作物を求める人のためにインターネットを使って確実に売り込んだりしているそうです。
また、この地区では昼夜の温度差が大きく、山間から流れ出る綺麗な水のおかげで、美味しい米ができる条件が整っています。
それをアピールするために、木村さんの作る米には、自ら「吉田川久保米」と命名しているそうです。
しかし、これらの工夫をしながらも、決して安心して生活するのに十分な収入があるわけではなく、木村さんは今年の春から兼業農家として再出発されるそうです。

木村さんのハウス
木村さんのハウスで育てられている野菜

●農業の良さ

完全無農薬を推進し、地区のリーダーとして活動している木村さんですが、同じ地区で『エコやまぐち農作物認証』として認定証を持ち、活動する仲間は3人います。
取材の途中にも「レタスの苗が余ったから、いらないか?」という内容の電話が入りました。
このように、仲間同士での情報交換は頻繁にするように心がけているそうです。
また実際に畑を見せていただくと、いろいろな種類の野菜や花を栽培しているようで、好奇心旺盛で農業自体を楽しんでいる風に感じられました。
また田んぼから少し離れた場所にある、木村さんの手によって竹の伐採と山の開拓が行われ、数年前までは冬の時期に竹炭を作っていた小屋も見せていただきました。
その近くには腰痛に聞くというびわの木や、正月の飾りに使うという松や梅の木、そして春に花見をするための桜まで植えてありました。
木村さんの四季を通じて農業・自然を楽しむ風流な心を見たような気がしました。


木村さんが整備された竹林
木村さんが整備された竹林

●農家さんは「食べていける」から

木村さんが「生活は苦しいが、農業は食べていける」とおっしゃったことが印象に残っています。
農業をされる方は誰しも自分で生産できることの喜びを知っている気がします。
私は普段消費するばかりで単調な毎日ですから、自然・四季を感じながら「作って、食べて、生きる」という人間らしい生き方に魅力を感じました。

しいたけ
山の一角で栽培されているしいたけ

(2009年度取材)

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