ファームランドやまもと 山本丈志さん
Posted at 10/04/23 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»

ファームランドやまもと 山本丈志さん
●大阪から山口へ
山本さんは防府市郊外の切畑地区でイチゴのハウス栽培を行っています。
私たちとの付き合いも長く、また過去に何度か農家取材に伺わせていただいており、今回の取材にも快く応じてくださいました。
山本さんは元々大阪でIT関係のお仕事をされていましたが、無機的な都会とは対照的な田舎で自然に囲まれて仕事をしたいという思いから、山口へIターンをされ、イチゴ農家として新規就農されました。
取材中は、あまり多くのことは語られませんでしたが、その一言一言からは真剣さと厳しさ、優しさ、熱さが感じられました。
取材中の山本さん
●逆境の中で
都会のデスクワークから田舎の農業へ、思い切った大転換をされた山本さんですが、山本さんを取り巻く状況は決して楽観的なものではありません。
というのも、まず、昨今の不景気な世相を反映してか、「売れない」「値段も安い」と、市場面での不調があります。
また、毎年と言って良いほど台風が大規模な被害をもたらします。
さらに、2009年の夏には、山口県を大規模な大雨災害が襲い、各地ではがけ崩れなどで死者も発生する等、大きな被害をもたらしました。
そして、山本さんのビニールハウスも例外ではなく、ハウスの中は水浸しになり、ハウスの設備も多くの機能が故障して使えなくなってしまう等の被害が出ました。
さらに、加入していた保険もきかず、損害の合計は百万円規模にまでのぼりました。
それこそ、取材中、山本さんご本人も「今年やれたのが奇跡」と言われるほどの被害だったのです。
ですが、そんな状況でも山本さんは決して諦めずにイチゴの栽培を続けられています。
そして、通常通りの出荷はもちろん、地元の大きな朝市に出荷したり、大阪のデパートに出荷したり、贈答用としても注文を受け付けられたりと、工夫を続けられています。
東京へ贈答用のイチゴを送った際には、「こんな甘いイチゴは東京では食べたことがない!」と喜ばれたそうです。
また、そんなお忙しい日々の中でも他人を思いやる姿勢、頑張る人を応援したいという姿勢を忘れてもいません。
イチゴでいっぱいの山本さんのハウスの中
●農業での販売
しかし、一方で農業での販売の難しさという面も、教えていただきました。
山本さん自身、どんどん売り込みをして販売量を増やしたいと考えてはおられます。
しかし、実際に農作業をして出荷する時期には農作業の方が忙しく、売り込みに回る時間はなかなか確保できません。
かと言って、農作業が落ち着いてから売り込みをしても、今度は試食用のイチゴが確保しにくかったり、注文を受けてもすぐに提供できなかったり、今度は売り込む上での不利な点が多くなってしまいます。
こういうお話を聞くと、「何をするのが農家さんのためになるのか」「自分には何ができるか」ということについて、深く考えさせられます。
●山本さんの意地
山本さんへの取材中、一番印象に残ったのが、「"できない"っていうのは、"嫌だからやってない"だけ」という言葉です。
会社勤めから起業、そして、農家さんへと、常に自分の道を切り拓かれてきた山本さん。
農業のことに留まらず、人生や仕事など、本当に多くのことを伝えていただきました。
そして、イチゴ栽培を続ける理由を聞くと、「意地やね」と一言。
そのひた向きさには、頭が下がる思いです。
美味しそうに実った山本さんのイチゴ
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