NPO法人学生耕作隊 理事長 近藤紀子
8月も終わりに差しかかる頃、ぶどうの収穫が始まりました。継承したぶどう園は、甘くておいしいぶどうをたわわに実らせてくれました。
思い起こせば、3月末に立ち上がる農山漁村!全国キャラバンから戻って以来、田んぼや畑を引き受けてほしいという相談が相次いで舞い込むようになっていました。放棄農地の再生の困難さや、日本で農業を営むことの大切さを考え、できるところから引き受けようと、ぶどう園の継承を決めました。そのぶどう園は、82才のおじいちゃんが、地域の人に喜んでもらいたい、と数年前に始めたものの、年と病気でやれなくなり、後継者もいないからやってほしい、と相談をいただいた園でした。
ぶどう作業の援農に行ったことはあるものの、栽培は初めてです。指導はできないけど、あるものは使っていいから、と園をまるまる任されたのです。「できるもんか」そんな声も聞こえてきました。けれども、援農経験から作業の流れを紙にまとめたり、援農先のぶどう農家からアドバイスをもらってきたりしてくださるシニアの方々の後押しや、農協の営農指導員の方のご協力もあり、現場でああしたらいいんじゃないか、こうしたらいいんじゃないかと議論しながら、お手製の道具も開発しながら、作業は進んで行きました。みんなでわいわい考えながらで楽しいわ。そんな声が聞こえてくるようになりました。
私は直接お会いできませんでしたが、82才の園主のおじいちゃんは、春頃、もう、歩いて畑に行く力も残っていませんでした。お伺いすると、それは楽しそうに、止まらないくらいにぶどうの話をされていたということです。奥様と最初に相談くださった娘さんがぶどう園まで散歩に来られ、「よかったね、よかったね、ぶどう園がよみがえったよ」と、涙ながらに喜んでくださった姿を見て、私も目頭が熱くなりました。