■その1・米どころの大打撃
先日、新潟県直江津市に行ってきた。中越沖地震の被害が大きかった柏崎のお隣だ。農家の女性たちが作った商品のプレゼンテーションを聞き、それに対するコメントをさせていただいた。主催者代表の挨拶で開口一番、「米の売り渡し価格が15,000円(1俵あたり)から10,000円に下がり、この地域で35億円の損失です、500ヘクタールの転作が必要となります」と、暗い話題から始まった。
米どころである新潟でこの状況を生み出したのは一体何なのか?1つはこれまであまり米作りでは期待されていない地域、北海道が今、元気だそうだ。以前に福井で米アレルギーのお子さんを持つお母さんが北海道からアレルギー対応米を共同購入している話を聞かせてもらったことがある。福井でもお米ができるのに、敢えて北海道からなぜ?と思ったのだが、本州との気温の差を上手に利用して、スズメなどに食べられる前に収穫できる早稲品種などを成育しているからだそうだ。たとえ収量が少なくても、ニッチな市場に対応したお米作りにも頑張っている。
もう1つは時代の転換期。国が買い取り、効率よく集めて大型スーパーに流すという物流のあり方自体が疲弊しているのかもしれない。ワインもお茶同様、そして現在では第3世界ショップのコーヒーも農園別というように、それぞれの個性・味で売っていく時代にお米も突入している。横並びでみんな一緒に出荷という長い歴史の中で培われた意識からの転換はとても大変だろう。
また、お米を食べなくなったといわれる昨今、美味しくご飯を食べる「ご飯のお供」の消費も都市部を中心に着実に減っているように思う。お漬物を代表として、椎茸などが入った味噌や青唐辛子の麹漬けなど、お米どころではご飯が進むような、しかも発酵食品がたくさんあることに気付く。全国各地を回りながらこういう美味しい食べ方・お米をもっと食べられる知恵を学び、発信したいと思っている。