提言−時代のスタイル
山根 多恵
吉田屋の食料自給率65%
今月、NHKのラジオ番組に出させてもらった。ゲストの生き方にスポットを当てる。1時間もの生放送。片岡先生も何年前かに出演されており、一緒の番組に出ることになるなんて光栄、と引き受けた。番組が始まり、後半に差し掛かると、「ファックスが現時点ですでに100通を超えました!」と声が入る。"超好評"で結局村上アナウンサーの判断で、通常より10分長くスタジオに残ることになった。私が、ラジオで話したことで特に評判を得たのは、吉田屋の食料自給率65%の話だった。村上アナウンサーは事前取材で温泉津にいらっしゃったときに手に入れた料理のお品書きを持って帰られたようで、それを紹介してくれた。「昭子さんのおくら、美千代さんのかぼちゃ、艶子さんの大根...ははは、これは何ですか?」。そう、我々は、野菜の生産者をあえてお品書きに記入している。農家さんが畑の中で笑顔を見せる写真つきだ。顔の見える野菜を利用しているというだけでなく、農場を経営する旅館としての意味もお客様に発信する。日本の自給率が今39%という中、吉田屋では、あと米と魚をクリアすれば、大部分をカバーできる。自給率100%も夢ではない!?そんな挑戦もお客さんから人気だ。
番組の中で、「どうしてこんなにアイデアが次から次へと生まれてくるのか?」と質問された。それは、私からだけ出されたものではなく、一緒に働いている人や、お客さんとの会話の中から生まれるものばかりなのだ。
大阪からインキュベーション事業をともにやり、Iターンで一緒に島根へやってきた料理長の脇悠子さんは、今、グループ全体の野菜利用と、旅館の農場「NOLO」で地域の農家を結ぶ作付け契約を計画し始めている。年間で使う野菜をリストにすると、こんなにあるのかと、驚かされる。料理長が自ら作った野菜というだけでおいしそう、といわれる自給率は彼女のアイデアから始まった。そして、農場経営をする旅館として売り出すことになったのだ。
三原綾子さんは、一度決まっていた東京の就職を蹴ってやってきた。実は、彼女を若女将2代目として、旅館を盛り上げたいと考えている。"えぇ〜、女子学生が若女将!?"と、今大学4年生の彼女の修行中の姿を出版したい、という話もやってきた。田舎を選択したから輝ける、という事例を売り出したいと考えている。
最近維新グループの求人情報に飛び込む新メンバーの情報が次々に届くが、実に多様性があり、雇うこちらもびっくりだ。
プレッシャーに弱いが洒落っ気を出すと一気に能力が開花する女の子、レゲエをやっていて将来はドミニカへと願う若者、それなりの会社に勤めていたが第二の人生を歩みたいと金欲を全く見せないおじ様、誰が聞いても不幸な人生を歩んでいるが素直にその素性を明かす人。みんな、さまざまなカタチでまずはインターンからのスタートだ。