■その2・規格って日本独自の考え?!
日本農業新聞に毎週コラムを書かせていただいて3年半が過ぎた。おかげで、農業関係の講演なども増えて、農業に携わるお母さんたちとの交流がますます増えている。あちこちに行けば行くほど、疑問に思うことが「規格」だ。美的センスがある消費者が多いのかもしれないが、大きさが合わないと撥ねる、「規格外」だから加工に回す、値崩れしてしまうから豊作の時には市場には出さずに捨てる...。自給率が40%で危機感を持っている一方で、このようなことが今後も通用するのだろうか?
7月の終わりに茨城県の女性就農者のリーダー研修というのが筑波大学で開かれ、ゲストとして招かれた。現在、山口県でやっている「もったいない野菜の活用(食を中心とした女性起業家に地元の規格外野菜を活用して商品を作ってもらう)」のことを話した。それぞれの農家でもったいない野菜はあるのか、またそれをどうしているのかという話を一人ひとり参加者に聞いてみた。ある農家さんは「小玉スイカといっても10号サイズ(バレーボール程度の大きさ)がないと出荷できないと決められている。小さくても中はしっかり熟れているので、自家消費、ご近所や遠くにいる親戚に配るかくらい。何十キロと出た時には畑に戻すしか術がなくて...」、びっくりするような話だ。もしも島根の旅館吉田屋だったら、グレープフルーツ程度の大きさのスイカなら真っ二つに割ってお客様にお出しすれば、いちいち8等分などする手間もなくて楽だなとか、一人暮らしの高齢者が買って持ち帰るのにも、食べ切るのにもちょうどいい大きさじゃない?と思ったりする。
9月末に北欧に行った時に、現地の人にこの「もったいないプロジェクト」は何とも説明しがたかった。そもそも彼らには「大きさが合わない=規格外」という考えがないからだ。何個いくらではなく、1キロいくらで買うからだ。これは日本と外国のスーパーの大きな違いだろう。通常日本では、ピーマンが5、6個袋詰めされて198円というような売り方がなされているが、ストックホルムやヘルシンキで果物や食材を買いに行くとすべて量り売り。自分たちで好きな量だけりんごを袋に詰めて、秤にのせて、りんごの絵がついたボタンを押すとバーコードシールが出てきて値段がつく。小さいものだけ、大きいのだけ、あるいは赤いのだけ、何でもいい人は必要な分だけ集めて袋詰めすればいい。おそらく鮮度の落ちたもの、潰れたものなど、もともと商品価値の低いものだけが残るのだろう。買う側も必要な分だけ買えばいいから無駄もない。生鮮品の売り方としては合理的なのかもしれない。どうして日本は個数売りなのか?個数売りがないと「規格」というのもなくなるのでは?素朴な疑問が沸く。