「沖縄食料産業クラスター協議会」事務局長、「琉球屋株式会社」取締役
加藤政貴さん
●沖縄クラスター協議会とは。
生産・製造・流通・消費者・大学・各種関係機関などの沖縄の食品産業にかかわる企業や個人が、安全・安心でより良い食文化の構築を目指して繋がった組織のこと。
●沖縄クラスター協議会の現状と課題
・現状
同協議会は平成19年1月26日に発足し、沖縄ならではの食材・人材・技術、その他の資を有機的に結び付け、新たな「地域ブランド」の創出、農林水産省業・食品水産業の活性化、食料自給率の向上を最終目標として活動している。
現在、約50件の会員が加入しており、さらなるネットワークの拡大を図っている。(平成22年2月現在)
・課題
会員を今よりもっと増やすこと、かつ、会を現在よりもっと盛り上げる。
企業はシビアだから、その会に参加する意味がないと感じた時点で、会から退会してしまう。そのために、会を盛り上げて、常に魅力のある会にするための仕組み作りをしなければならない。
●事務局長として目指すもの
沖縄食料産業クラスター協議会はツールでしかない。
組織に在籍する意味がなければ、会員は減るので、組織は縮小する。
この会に在籍する企業はみな営利追求しているので、この会をツールとして、この会に関わっている企業が自社の利益に還元できるような仕組み作りをもっと追究していきたい。
●1産業に従事している人達は豊かか。
豊かな人とそうでない人とに2極化している。
県外に物を売ろうとするならば、沖縄は島国なだけに流通経路がきちんとされていない。
そのために仲介業者が必要となってくる。仲介業者を必要とせず、県外に直接入ったり、ネット上などで自ら販路をもっている人達は、生産に浮き沈みがあるために、とってくれたりくれなかったり、きちんと支払ってくれないという問題が生じることがあるので、結果的に仲介業者に頼ってしまう。豊かな暮らしをしている農家さんなどは、仲介業者を必要とせず、きちんとした販路をもっている。
漁師さんでいうと、沖縄のマグロ漁船は近海漁船、本土のそれは遠洋漁船である。本土の漁船は冷凍設備が整っていて、とれた瞬間にマグロを凍らせることができる。それに比べて沖縄の漁船は冷凍設備がないために、漁港に到着してから凍らせている。同じ冷凍でも、この違いで、値打ちが大分異なってくる。(マグロは凍らせた方が美味しくなるらしい)
農家さんにしても、漁師さんにしても、飯は食えるには食える。けれども、両者とも自分の子に、継承しようとは思わず、また、子も親の農業(漁業)を
●これからの農の可能性
沖縄は、日本最南端に位置するために、気候は温暖。
温暖ということは、年中食材がとれる。よって冬場でも販売できる。
これが、他府県にはない、沖縄農業の強みである。
沖縄は本土のやり方に振り回されている。(シークァーサーなどがイイ例)
1次産業が儲からないと何もなくなってしまう。そこで、1次産業が儲かる仕組み作りをしないといけない。
そのためには、「観光・環境・バイオ」が重要となってくる。
観光に関して言うと、沖縄は長寿県を売りとしているけれど、実際の所、現在は長寿県と自慢できるほどの地位ではなくなってきている。それなのに長寿食を観光の売りにしている点などから、現在の沖縄の観光は、観光に力を入れているけれど、その外部要因が違う方向に向かっているために、矛盾が生じている。それらを見直す必要がある。
環境に関して言うと、沖縄の車は大半が中古車である。ということは、その車の最終処分所は沖縄になってしまう。沖縄は島国なだけに、最終処分場がない。そこで、リサイクルが注目されている。車は90%が再利用できる。車のような観点から、シークァーサーは半分がゴミで、今まではその半分はすべてゴミになっていたけれど、その半分を肥料にしたり飼料にしたりしている。また、ホテルの残飯を乳酸発酵させて、豚の飼料にし、その豚をまたホテルの料理に出すという循環型社会の構築もできる。
(バイオは、農とはあまり関係性がなかったから省きました。)
●琉球屋ではどんな取組みをしているのか
沖縄の物産を県外に流している
沖縄は本州から離れているから、県外の業者が沖縄の商品をほしがっても簡単にはとりにくることはできない。
沖縄に支店をもつのはリスクがあるけれど、沖縄の商品を扱いたいと思っている業者さんと提携している。
沖縄では業者がたくさんがいるから、沖縄ではとりひきはしていない。
●農家さんとのやりとりで気にかけていることは。
約束は守る!!
取りに行くと言ったら行く、払う時には払う、やることはやるということ。農家さんとの信頼関係を築く、または持続していくにはかかせない。
たたかない!!
内も営利を目的としている組織なので、安く仕入れるために常に市場の相場とにらめっこしている。農家さんにやむをえなく、安く交渉する時もある。単に利益を追求すればたたいて売ることはできるけれそ、それだと続かない。
農家さんがいてはじめて成り立っているという意識を常にもち、感謝の気持ちで接し、農家さんが儲かるような仕組み作りを追及している。
●農家さんとの信頼関係をつくるには。
農家さんに誠意をもって付き合わないといけない。
初めは、畑にも入れさせてくれなかった。お土産も受け取ってくれなかった。
畑にコマ目に足を運び、たわいのない話をすることで、まずはお友達になる。それから仕事の話をする。
また、その食材の時期が過ぎても、そこで関係は終了ではなく、今まで通り会いにいったりして、人と人とのお付き合いをすることが大事。
こういう風に、誠意をもって、農家さんと接することで、農家さんの信頼を得ることができる。
信頼関係ができたあとは、逆に農家さんの方からのアクションがある。
単に信頼関係を築けばよいと言ってはいるが、農家さんと信頼関係を築くというのはなかなか難しく、絶え間ぬ努力が必要。
●若者へのメッセージはありますか。
特にありません(笑) というのは冗談です。(笑)
今の若者の皆さんには自分の地元をもっと知ってほしい!!(今も加藤さん自身のテーマ)
加藤さんは長野県出身で、沖縄に来る前までは長野ことについて深く考えたことがなかった。しかし、沖縄にきて、長野のことを聞かれたときに、意外と地元のことを話せなかった。そこで、長野ことを知ろうと思ったそうです。
ではなぜ地元を知る必要があるのか。
沖縄だけでは商品を売るということには限界があるから、外に売りましょう。→外貨獲得
この場合、商品を売る際には商品のこともそうだが、自分の地元のことも売りにする。
他府県の人や他国の人などは、相手の地元がどういった所なのかというのが非常に興味がある。
また、今の若い人達は、地元のダメな所をテーブルにのせて話を終了するケースが多い。
そうではなくて、そのデメリットを克服するようにどういった取り組みをすればよいのか。という考え方につながってほしい!!
沖縄にくるようになって長野のことを考えるようになった。
沖縄にいても長野のことは勉強できるし、素地もわかる。
けれども、地元の素地を知ってたうえで、外に出て、そこで学んだうえで、また地元に帰ってくるとのではパワーが全然違う。
外に出る機会があれば是非そうしてほしい!!
沖縄(地元)の現状状況を知った上で、ただ単に聞き逃すのでなくて、その状況を打破するために若者にもっと頑張ってほしい!!!
こういった流れを作れば、世代交代をしたときにはまた面白いことができる。
若者特有の誰にでもなんでも聞ける、失敗も許されるというこの瞬間をもっと大事に使ってほしい!!
私たち若者のやるべきことは山ほどある。
もちろんその次の世代にも。
●取材をしての感想
加藤さんは、常に農家さんのことを第1優先に考え、農家さんが儲かる仕組みを常に追求している、志の高い若い実業家でした。
また、沖縄県の農商工についてよくお知りになられていて、今後の展開などのビジョンも明確なものがあり、長野県出身ながらも沖縄県に貢献しようという想いがひしひしと伝わってきました。
内嶺さんという、琉球屋の代表取締役がおられましたが、農家さんとのやりとりは大体が内嶺さんが行っていて、農家さんに対する想いというものは、加藤さんよりも勝るものを感じました。
「琉球屋」は、小さな会社ではあるけれども、大きな事を行っているという点で、まさに小さな巨人のような企業でした。
今回取材で、沖縄の1次産業の現状、第6次産業の可能性というものを見させてもらいました。沖縄食料産業クラスター協議会がもっと盛り上がっていき、沖縄の食料産業を活性化させていくことで、沖縄全体がもっと活気づけばいいなと思いました。
そのためには、私たち若い世代もやるべきことはたくさんあると思うので、他人事ではなく、自分の問題として今後、自分なりに考えて、自分の出来ることから取り組んでいきたいと思いました。
並里 康次郎
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 農商工連携で地元活性【沖縄県那覇市】
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