「みやぎ・やまがた連携」は、お隣同士で特色が違う2つの県(サービス業型の大都市のある宮城県と、農業を中心とした第一次産業が得意な山形県)が、行政区を超えて助け合いのネットワークを構築する新しい試みです。
2007年度は、山形県が開催地となり、「地域を越えて頑張る女性の交流会」が開催されました。両県で活躍する女性たちのパネルディスカッションや、農業分野での両県の提携をテーマにした分科会が開かれ、インターネットで流通を促す起業や、仙台で伝統野菜を売る女性らが参加しました。
変化の激しい時代状況の中、自分のところさえ良ければいい、という考えで行動する企業は足元をすくわれています。これは企業だけではなく、これからの地方行政にも当てはまること。行政区を超えた助け合いが、地方の未来を救うかもしれません。
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青森県八戸市役所の日山克之さんは、地元の障がい者と環境を組み合わせた「プロジェクト・マキ」の発案者です。
ある福祉施設では、入所者が夜尿してしまう前に、施設の職員が入所者を起こしてトイレに連れて行き、浅い眠りのまま一晩を過ごすという悪循環に陥っていました。統計を分析したところ、お風呂に入ることで、ぐっすり眠り尿を抑えるホルモンが分泌され、実際にお風呂に入った翌日の夜尿が少ないということが分かりました。
そこで日山さんが考えたのが、薪風呂。それまでは、お風呂の湯沸しはボイラーを使っており、光熱費がかかるため、お風呂は数日に一回。そこで、湯沸しに薪を使ってコストを削減し、毎日お風呂に入れるようになったそうです。
さらに、湯沸しに使う薪は、障がい者が自ら割ったもの。「プロジェクト・マキ」は障がい者の仕事づくりにもつながっています。今までは突然姿を消したりして周囲をハラハラさせていた人が、薪割り名人として社会に認められ、薪ストーブ会社に就職した、というケースもあります。
薪を使うことで環境にやさしく、障がい者の仕事、生きがい作りにもなる、一石二鳥のプロジェクトだと感じました。
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青森県八戸市にある、お惣菜・お弁当販売店「おべんとうやさん」。リーズナブルな値段、全て手作りで冷凍食品を一切使わない徹底ぶりが人気を呼び、地元の市役所議員の間で大人気のお店です。経営者の土橋チエさんが1日10食程度と小さな規模から始めたお店も、現在では1日100食を販売、平日はパートを雇うまでになりました。
土橋さんには、経営者としての二つのこだわりがあります。一つは、市役所で売るお弁当はどんなに忙しくても必ず自分で売りに行くこと。直接お客様に売ることでお弁当の味やお客様の好みを肌で感じ取るため、市役所の各階を「おべんとうやです!」と元気な声を出しながら回ります。
もう一つは、スタッフを叱らないこと。「スタッフが容器をひっくり返してお弁当の中身を台無しにすることもありましたが、私もうっかりやることがあるので、きつくは叱れませんね。スタッフがやったことでもこのお店で起きたことは私の責任なので、そんな日は回りながら事情を説明して素直に謝るんです。」と土橋さんは言います。
このようなポリシーを持って働く土橋さんは、経営者の鏡といえるかもしれません。
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岩手県一関市花泉町にある農家レストラン「夢みる老止(おとめ)の館」。佐々木喜子さんが、ご自宅を活用、2000年に開業しました。築200年の日本家屋は、まるで映画のセットのよう。座敷に飾られた山野草の生け花や、手入れの行き届いた庭園は、訪れる人の心を魅了します。佐々木さんが摘んできた山菜を使った山菜膳、伝統料理である餅膳を、明治、大正期の器で振舞います。
奥州市胆沢の及川久仁江さんは、2000年に農家民宿「馬屋小屋(まやごや)」を開業。かつて使っていた牛小屋を改良して作ったお部屋には、くつろぎの空間と牛小屋の名残が同居しています。及川さんの畑で取れた野菜を使ったお惣菜、はぜかけご飯をかまどでふっくら炊き上げたお米、近所の養鶏場でとれた卵など、朝ご飯ではこの地域の味を堪能することができます。さらに、方言で農家の暮らしにまつわる話を話すなど、及川さんはお客様を楽しませることも忘れません。
昔ながらの建物や食器、地域で採れる野菜、農家ならではの温もり。農家にしか出来ないおもてなしがここにはあります。
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山形県鶴岡市の田んぼの真ん中に、庄司祐子さんが経営する農家レストラン「穂波街道」があります。
20年前に個人で地元の野菜直売所を始め、同じ場所で10年前からその野菜をふんだんに使った農家レストランを開業。外国人を農家に泊めたり、都会からのお客様に手づくりピザを楽しんでもらうイベントを行うなど、「グリーンツーリズム」という言葉が定着する前から実践しています。さらに店内はいち早くバリアフリーを取り入れていました。
庄司さんのお話を聞けば聞くほど、時代の流れを先取りした試みばかり。地域のために何かしたいと強く想い続け、お客様との会話からニーズを捉え、リスクがあっても何かやりたいという覚悟が出来ています。彼女の本気さが時代を動かしている印象を持ちました。
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青森県浪岡町の藤田綾子さんは、数年前の起業家スクールで出会いました。藤田さんのおばあさんがお漬物の名手で、この美味しいお漬物を広めたい想いで参加していました。
どのお漬物を食べても美味しい。そして道の駅や直売所などでは、よく見られる「おまけの量を増やせばいい」という過剰サービスではなく、「少しずついろいろ食べられる喜び」を一番に考え、詰め合わせパックを作りヒットにつながりました。
自分のアイディアを簡単に真似られたくない想いは誰しもあると思いますが、最初にやった人と完璧に同じようには出来ません。独創性と強い想いは先駆者を越えられないのです。誰かが真似たら次を考えればいい、そんな気持ちで進めていくと、いい競争が生まれ、地域全体が盛り上がっていくでしょう。
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